犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割

遠隔地間での遺産分割協議を手紙のやりとりで円満に成立させたケース

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川合 清文 弁護士が解決
所属事務所川合清文法律事務所
所在地大阪府 大阪市北区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

ご相談者は、ここ10年ほど行き来のなかった叔父(母の弟)が亡くなったことを、叔父の奥さんから手紙で知らされました。叔父夫婦には子どもがいなくて、祖父母(母の両親)も既に他界しており、相続人は、叔父の奧さんと兄弟姉妹(母を含む)でした。伯父の奥さんは、遺産を全て自分が相続することにしたく、叔父の兄弟姉妹に対し「相続しないことを同意してほしい」と手紙に書いていました。しかし、母も他の兄弟姉妹も、法定相続分による相続を望んでいました。また、叔父の遺産の中には、祖父が亡くなった後現在まで、祖父名義のままになっている土地もありましたが、伯父の奥さんの手紙では、そのことに触れていませんでした。

解決への流れ

ご相談者のお母さんのご兄弟姉妹は、互いに遠隔地に離れてお住まいであり、またご高齢でもあり、一堂に会して、遺産分割の話し合いができないケースでした。そこで、ご相談者のお母さんから依頼を受けたうえ、叔父の奥さんとは、手紙でのやりとりで遺産分割協議を進めることにしました。叔父の奥さんの真意を確認してみると、兄弟姉妹らとの関係が悪くなることを望んでおらず、法定相続分での遺産分割については、反対を貫くほどの意向ではありませんでした。叔父の奥さんは、法定相続分により遺産分割を進める旨了解され、ご相談者のお母さんたち兄弟姉妹全員との間で円満に合意することができました。ご相談者のお祖父さん(お母さんの父)名義の土地についても、他の兄弟姉妹の意思確認をした上で、お祖父さんからお祖母さんへ,さらに母の兄弟の1人へと名義を移転することも合意できました。

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川合 清文 弁護士からのコメント

ご相談者のお母さんは、弟とは疎遠になった期間があったとはいえ、決してご姉弟の関係が不和であったわけではなく、円満解決を希望していました。今回の遺産分割は、相続人が互いに遠隔地にお住まいで、意思疎通の方法がほぼ手紙に限られるという制約がありました。手紙の表現には、ご相談者のお母さんの意向に沿い、兄弟姉妹で対立的な感情が生じないよう、権利関係を踏まえながらも、互いの兄弟姉妹としての立場を尊重するよう気を配りました。また、今回の遺産分割では相続税の申告が必要であり、申告期限までに遺産分割協議を成立させるのが望ましく、いつまでに何をするか、というスケジュールを意識した対応が必要でした。