オウム真理教の元代表、麻原彰晃=本名・松本智津夫=死刑囚ら13人の死刑が執行され、教団が起こした一連の事件だけでなく、死刑制度そのものが注目されている。
海外からの様々な意見も出ており、例えばドイツ大使館は、「この犯罪がいかに重いものであろうとも、死刑を非人道的かつ残酷な刑罰として否定するというドイツ政府の原則的立場は変わらない。従って、ドイツは今後もEU各国とともに、世界における死刑制度廃止に向け積極的に取組んでいく」とのコメントをウェブサイトで公表している。
死刑は世界でどれくらい執行されているのだろうか。アムネスティ・インターナショナル「2017年の死刑判決と死刑執行」（http://www.amnesty.or.jp/library/report/pdf/statistics_death_penalty_2018.pdf）によると、2017年12月31日の段階で、死刑存置国は56カ国。執行した国は23カ国だという。
2017年に死刑を執行した23カ国について、執行数の順に紹介したい。ただ、情報が不明な国も多いため、完全に実態を反映したものではない。
●ベトナム
死刑執行 1人以上
死刑判決 35人以上
死刑囚 600人以上
（情報開示制限や武力紛争のため、情報を得られず）
●北朝鮮
死刑執行 1人以上
死刑判決 1人以上
死刑囚 1人以上
（情報開示制限や武力紛争のため、情報を得られず）
●アラブ首長国連邦
死刑執行 1人
死刑判決 5人
死刑囚数 不明
●ベラルーシ
死刑執行 2人以上
死刑判決 4人以上
死刑囚 4人以上
（死刑執行数は国家機密）
●イエメン
死刑執行 2人以上
死刑判決 5人以上
死刑囚 4人以上
（情報開示制限や武力紛争のため、情報を得られず）
●バーレーン
死刑執行 3人
死刑判決 15人
死刑囚 1人以上
●南スーダン
死刑執行 4人
死刑判決 16人以上
死刑囚 1人以上
●日本
死刑執行 4人
死刑判決 3人
死刑囚 134人
●マレーシア
死刑執行 4人以上
死刑判決 38人以上
死刑囚 800人以上
（情報開示制限や武力紛争のため、情報を得られず）
●アフガニスタン
死刑執行 5人
死刑判決 11人以上
死刑囚 600人以上
●パレスチナ
死刑執行 6人
死刑判決 16人
死刑囚 33人
●バングラデシュ
死刑執行 6人
死刑判決 273人以上
死刑囚 1465人
●クウェート
死刑執行 7人
死刑判決 15人以上
死刑囚 1人以上
●シンガポール
死刑執行 8人
死刑判決 15人
死刑囚 40人以上
●ヨルダン
死刑執行 15人
死刑判決 10人以上
死刑囚 10人以上
●アメリカ
死刑執行 23人
死刑判決 41人
死刑囚 2724人
●ソマリア
死刑執行 24人
死刑判決 24人以上
死刑囚 124人以上
●エジプト
死刑執行 35人以上
死刑判決 402人以上
死刑囚 1人以上
●パキスタン
死刑執行 60人以上
死刑判決 200人以上
死刑囚 7000人以上
●イラク
死刑執行 125人以上
死刑判決 65人以上
死刑囚 1人以上
●サウジアラビア
死刑執行 146人
死刑判決 1人以上
死刑囚 45人以上
●イラン
死刑執行 507人以上
死刑判決 1人以上
死刑囚 1人以上
●中国
死刑執行 1人以上
死刑判決 1人以上
死刑囚 1人以上
※アムネスティ・インターナショナルは、「数千人が死刑判決を受け、処刑されているが、死刑に関する数字は依然として国家機密扱いだった」としている。裁判の判決を年間を通して確認した結果、「中国がまたもや世界最多の死刑執行国であり、死刑判決数は、他の国すべての合計よりも多い」としている。
