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女子中学生に「スマホが落ちて壊れた、7万円弁償しろ」とすごむ「当たり屋」…撃退法は?
2019年04月30日 09時22分

歩いている女子中学生を狙ってわざとぶつかり、スマートフォンを落として「割れた、弁償しろ」と騒ぐ「当たり屋」の男性がいた――。そんな話がツイッターで4月、話題になりました。

あるユーザーの投稿によりますと、その男性は、女子中学生に駅のホームでぶつかり、スマホを落として、すごい剣幕で「7万円弁償しろ、連絡先を教えろ」とすごんだそうです。

女の子は泣いて、自分の親に連絡しました。親は「電話ではなく、請求書を送ってくだされば払います」と言って、対応しました。結局、請求書は送られてこなかったとのことでした。

ツイッターでは、「当たり屋の常套手段だから、絶対に払っちゃだめ」という指摘が相次ぎました。このような「当たり屋」には、どう対応すればよいのでしょうか。坂野真一弁護士に聞きました。

歩いている女子中学生を狙ってわざとぶつかり、スマートフォンを落として「割れた、弁償しろ」と騒ぐ「当たり屋」の男性がいた――。そんな話がツイッターで4月、話題になりました。

あるユーザーの投稿によりますと、その男性は、女子中学生に駅のホームでぶつかり、スマホを落として、すごい剣幕で「7万円弁償しろ、連絡先を教えろ」とすごんだそうです。

女の子は泣いて、自分の親に連絡しました。親は「電話ではなく、請求書を送ってくだされば払います」と言って、対応しました。結局、請求書は送られてこなかったとのことでした。

ツイッターでは、「当たり屋の常套手段だから、絶対に払っちゃだめ」という指摘が相次ぎました。このような「当たり屋」には、どう対応すればよいのでしょうか。坂野真一弁護士に聞きました。

●もともと壊れているスマホの修理代を請求すれば「詐欺罪」

この男性のように故意にぶつかり、相手からお金を騙しとろうとする行為はどのような罪にあたるのでしょうか?

「そもそも壊れているスマートフォンに関して、ぶつかって落ちた拍子に壊れたと虚偽の事実を伝えて修理代金等を請求する行為は、刑法246条1項の詐欺罪に該当すると考えられます。

積極的に事実を偽り(そもそも壊れていたスマホが、ぶつかった際に落ちて壊れたと主張)、相手を錯誤に陥らせて(もともと壊れていなかったにもかかわらず、衝突時の落下によってスマホが壊れたと誤信させて)、財物を交付(金銭を交付)させているからです。

仮に、今回のケースのように、親御さんが冷静に対応した結果、金銭の支払いがなかったとしても、相手方を騙すつもりで欺罔(ぎもう・あざむく)行為を行った場合は詐欺未遂罪(250条246条1項)として処罰の対象になりえます」

では、詐欺の手段としてわざとぶつかる行為はどうなりますか?

「わざとぶつかった点だけに着目すると、形式的には身体に対する不法な有形力の行使であり、暴行罪(208条)に該当する余地があります」

●「要求に応じて、その場で払うのは相手の思うつぼ」

このような「当たり屋」に出会ってしまった場合、どう対応するのが望ましいでしょうか?

「それぞれの場合に応じて状況が異なるため、絶対といえる対応方法をお示しすることは難しいのですが、その場で要求に応じて支払うことが、当たり屋の思うつぼであって避けるべきであることに、変わりはありません。

相手が『警察を呼ぶぞ!』、『出るとこへ出るぞ!』といっても、早くお金を取りたいための方便であることが多く、本当に警察が来たり、裁判になるとむしろ請求者側が困る場合が多いと考えられるため、臆することはありません。

警察(場合によっては駅員)などに、間に入ってもらう対応方法も考えられます。もちろん、今回の中学生の親御さんの対応も落ち着いた正しい対応であったと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

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