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あの裁判の判決について知りたい! 関係者以外でも「判決文」は閲覧できるの?
2014年03月10日 18時47分

「主文 被告人を懲役●年に処する」。裁判官が判決文を読み上げるときは、まさに当事者たちの運命が左右される瞬間だ。判決文は長いものでは数百ページにものぼり、全てを読み終わるまでに数時間かかる場合もあるという。

社会的に大きな注目を集めた事件の裁判では、その判決を出すに至った理由など、判決文そのものを細かいところまで読んで確認したい、と思う人もいるだろう。だが、テレビや新聞の報道では、判決の概要が伝えられるだけで、判決文そのものが細かく紹介されることはほとんどない。

主な裁判の判例は、専門家が読むような法律雑誌に掲載されているが、自分の関心があるものが必ずしも載っているわけではないだろう。では、そもそも当事者でない人が、その裁判の判決文を読みたいと思ったとき、実際に閲覧することはできるのだろうか。元裁判官の白川敬裕弁護士に聞いた。

「主文 被告人を懲役●年に処する」。裁判官が判決文を読み上げるときは、まさに当事者たちの運命が左右される瞬間だ。判決文は長いものでは数百ページにものぼり、全てを読み終わるまでに数時間かかる場合もあるという。

社会的に大きな注目を集めた事件の裁判では、その判決を出すに至った理由など、判決文そのものを細かいところまで読んで確認したい、と思う人もいるだろう。だが、テレビや新聞の報道では、判決の概要が伝えられるだけで、判決文そのものが細かく紹介されることはほとんどない。

主な裁判の判例は、専門家が読むような法律雑誌に掲載されているが、自分の関心があるものが必ずしも載っているわけではないだろう。では、そもそも当事者でない人が、その裁判の判決文を読みたいと思ったとき、実際に閲覧することはできるのだろうか。元裁判官の白川敬裕弁護士に聞いた。

●裁判所や検察庁に行けば閲覧できる

「判決書(判決文が記された書面)は、原則として、誰でも閲覧できます」

と白川弁護士は言う。では、実際に閲覧したい場合はどうすればいいのだろうか。閲覧申請の窓口は、民事事件と刑事事件で異なるようだ。

「民事事件については、訴訟が終わっている場合は、第一審を担当した裁判所の記録担当係の窓口で、窓口にある閲覧申請書に記入して提出します。控訴や上告でまだ訴訟が続いている場合は、高裁などその訴訟を担当している裁判所に申請します。

ただ、判決書の中に、当事者の私生活についての重大な秘密や営業秘密等が記載されている場合、その記載部分の閲覧が制限されることがあります」

では、刑事事件の場合はどうだろう?

「刑事事件の場合、判決書を含む確定記録は、第一審の裁判所に対応する検察庁で保管されています。したがって、検察庁の記録担当係の窓口で、閲覧申請をします」

刑事事件についても、民事事件と同じく、プライバシー保護の観点からの閲覧制限があるという。

「判決書の中に、『関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれがある場合』など、一定の事由に該当する部分がある場合、その記載部分の閲覧が許可されないことがあります」

そして、民事事件と刑事事件の判決書の閲覧を申し込む場合、いずれも申請手数料として、収入印紙(1件150円)が必要になるということだ。

●インターネットでも判決文が読める

だが、いまは情報はインターネットで収集するのが当たり前の時代だ。裁判所や検察庁に行かなくとも、ネット経由で判決文を見ることができたら便利だが、それは可能なのだろうか?

裁判所のホームページ(http://www.courts.go.jp)の『裁判例情報』というコーナーで、裁判例を検索、閲覧することができます。ここには事件名、裁判年月日、裁判要旨の他、判決の全文も掲載されています」

ありがたいサービスだが、すべての判決が掲載されているわけではないようだ。

「このコーナーに掲載されるのは、裁判所が選択した主要な判決だけです。掲載の基準は定かではありませんが、知的財産に関する判決は比較的よく公開されているといえます。

ただ、インターネット上に掲載されているものとされていないもので、判決の効力等に違いがあるわけではありません」

憲法82条には「裁判の公開」の原則が定められていることもあって、自分とは関わりのない事件でも、比較的簡単に裁判の判決書へのアクセスはできるようになっているといえそうだ。裁判や法律をより身近に感じるためにも、興味がある方は、一度、判決全文を読んでみたらいかがだろうか?

【追記】刑事事件の判決書に関する記述に誤りがありましたので、訂正いたしました。(3月10日20時50分)

(弁護士ドットコムニュース)

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