この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
マンションにおいて,依頼者様である大家さんの相手方である賃借人が,下の居住者のたてる音がうるさいと下の居住者に対して何度もドアを強く叩いてクレームを繰り返したことで,下の居住者が怖くなって退去してしまいました。下の部屋に誰も入居せず,また隣の居住者にも迷惑行為をはじめると困るので,裁判を提起することになりました。
解決への流れ
裁判を提起し,相手方が音がうるさかったと主張する日の一覧を提出させました。その上で,その日は下の住民は旅行に行っていて不在であったこと等を主張し,相手方の主張の信用性を揺らがせました。また,相手方が前に住んでいたマンションの管理会社に,弁護士会を通じて情報を開示してもらい,相手方が前のマンションでもクレームを繰り返して退去させられたことが明らかになりました。更に,裁判例を調べ,他の賃借人に迷惑をかけ,その住民が退去した場合,大家がその迷惑をかけた住民に対し,退去して入居者が入らなかった損害分について損害賠償が認められた裁判例を見つけ,それに基づき賠償請求もしました。裁判当初では,相手方は立退料を請求していましたが,自分が賠償をしなくてはならなくなると危惧し,立退料なしで退去することを認めさせました。
裁判においては,依頼者様の権利を実現するために,あらゆる方法を模索する必要があります。本件では,現地に何度もおもむき,裁判例を数多く調査し,相手方の前の住居をも念入りに調べたことによって,事態を打開することができました。