この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
40数年前に亡くなった曾祖父名義のままになっている土地と建物があるが、相続人がもはやどこに誰がいるのかわからない、家屋も老朽化し危険なので、土地ごと売却したいというご相談を受けました。相続人を調査してみると18人の方が曾祖父名義の土地と建物についての相続人に該当する事が判明しました。また相続人のなかには20年以上所在のわからない方も含まれていました。
解決への流れ
本件の土地建物は、直近まで相談者のお母様が10数年前に亡くなられた相談者のお父様の所有物だとして長年居住しておられ、固定資産税等も支払い続けておられたという事情がありましたので、相談者のお母様による時効取得と相談者を含めたお母様の相続人が相続により取得したとして訴訟を提起し、18人の権利関係を3人に絞り込む判決を勝ち取ることができました。その後3名の相続人の合意で土地建物を売却しました。
本件は相続人が多く、かつ所在不明の方が含まれていたことから解決にいたるまでかなりの労力を要しました。具体的には、連絡の取れる相続人の方には連絡をし、訴訟を起こすこと、その目的を説明してご理解、ご協力をいただき、所在不明の方については最後の住所地まで足を運び、その所在が不明であることを調査するなどしました。このような事情もありましたが、相談者のお母様の時効取得を認める判決を獲得できたことで無事解決に至りました。