この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
外国人父と日本人母が子どもとともに外国で暮らしていましたが、日本人母が外国人父の了解なく、子どもを連れて日本に帰国してしまいました。外国人父は、子どもとも一切面会交流できない状態でした。
解決への流れ
外国人父は、ハーグ条約に基づく子を居住国へ返還することを求める申立を家庭裁判所に対して行いました。家庭裁判所での調停の中で、子を居住国へ返還することを断念するのと引き換えに、スカイプでの面会交流、来日しての面会交流、長期休暇に居住国へ子と一緒に旅行する権利を含む面会交流の約束を取り付けることに成功しました。
離れた国の間での面会交流の取り決めや実現はとても大変です。ハーグ条約に基づく申立は、子の返還申立だけでなく、面会交流の申立にも活用できます。ハーグ条約案件には、「原則として子を居住国へ返還する」という厳しいルールがありますので、これを利用して有利な面会交流を獲得することができます。ハーグ条約案件は、案件数もそれほど多くなく、特殊な分野ですので、経験のある弁護士に依頼することをお勧めします。