この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
亡夫名義の土地建物に居住しているが、子どもがおらず、亡夫の兄妹やその子が法定相続人となっていて、そのうち一人が行方不明で遺産分割協議ができず、名義が亡夫の名義そのままになっている。
解決への流れ
行方不明の法定相続人について不在者財産管理人の選任申立てを行い、依頼者の関係者を不在者財産管理人とし選任するよう裁判所に上申し、選任された不在者財産管理人との間で、依頼者が亡夫名義の不動産を取得し、行方不明の相続人が現れ、同人から請求があった場合には,遺産取得の代償金を支払うという遺産分割協議書を締結し不動産の名義を依頼者のものとしました。
〇民法等の一部改正によって、裁判所の関与の下で、不明共有者の持分の価額に相当する額の金銭の供託により、不明共有者の共有持分を取得して不動産の共有関係を解消する仕組みが創設され、令和5年4月1日から施行されます。そのため、上記事案のように不明共有者がいたとしても、上記のような手順を踏まずとも、共有物の利用・処分をより円滑に進めることが可能になります。登記の義務化も控えておりますので、相続登記を放置することがないようにご相談ください。