この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
被害者は駐車場で停止中,逆突事故に遭いました。なお,逆突事故とは,前の車がバックしてきて,こちらの車の前方部分にぶつかる事故のことです。被害者の車には,ドライブレコーダーがありませんでした。また,駐車場には目撃者もいませんでした。加害者および保険会社は「そちらが追突してきた事故である。逆突事故ではない」と主張して譲りませんでした。被害者は,修理代金は約7万円と大きな金額ではなかったので泣き寝入りしようかとも考えましたが,自分が加害者であるかのように言われることに納得できず,来所されました。
解決への流れ
① 資料収集事件現場に赴き,事件現場の写真を多数撮影しました。物件事故報告書(物損事故で警察官が作成する書類)を取り寄せることはもちろんのこと,当該警察官から直接事情を聞きました。② 第一審保険会社は,いわゆるアジャスターの意見書(事故が追突によるものではないかとする意見書)を提出するなどして全面的に争ってきました。当方も,物件事故報告書を作成した警察官に法廷で証人尋問を行って頂くなどして反論しました。しかし,第一審では,裁判所はアジャスターの意見書を丸写しする形で,事故は被害者よる追突事故であるとの当方敗訴の判決を出しました。③ 第二審再度,事件現場に赴き,追加の資料を提出しました。アジャスターの意見書に穴があることを裁判官に分かりやすく伝えました。その結果,逆突であることを認める勝訴判決を得ることができました。長い戦いとなりましたが,被害者の悔しい気持ちを晴らすことが出来ました。
逆突か追突かは,過失が争われる事件の中でも,難しい事案の一つです。しかし,そのような場合でも諦めず,粘り強く交渉できる弁護士に相談することが重要です。