犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割 . #財産目録・調査

遺産分割調停で、相手方の使途不明金を含めて解決した事例

Lawyer Image
亀子 伸一 弁護士が解決
所属事務所法律事務所みちしるべ
所在地静岡県 静岡市葵区

この事例の依頼主

50代 女性

相談前の状況

被相続人(亡くなった母)の生前、母の財産管理を兄がしていたため、相談者は財産管理の状況などを尋ねたが、兄の依頼した弁護士はそうした質問にしっかり答えてくれなかった。また、兄側から突然、遺産分割調停の申し立てがされた。相談者は弁護士をつけずに調停手続きを進め、母の使途不明金についても自分なり主張していたが、調停委員さんから「一度、弁護士に相談してみてください」というアドバイスもあり、弁護士へ相談。兄の財産管理状況については、相続人固有の立場で金融機関の取引明細(口座の入出金状況)の開示請求ができるので、金融機関の取引明細から財産管理状況を調べてみることなどを助言し、その後の対応について正式にご依頼をいただいた。

解決への流れ

ご依頼を受けた後、金融機関への取引明細の開示請求を行い、開示された取引明細をもとに、入出金の状況を一覧表で整理した。また、相手方に対し、出金に対応する支出の明細(領収書や請求書など)を提出するよう求めた。調停での相手方の主張や提出された証拠の精査もあわせて行い、相手方の主張に対して適切な反論書面を作成した。こうした結果、依頼者が一番気になっていた、兄による母の財産管理状況を、ある程度明らかにすることができた。また、調停委員さんは当方の主張(使途不明金を含めた主張)を理解してくれ、最終的に当方側の意見に沿った形で相手方を説得してもらうことができ、遺産分割調停が成立した。

Lawyer Image
亀子 伸一 弁護士からのコメント

遺産分割調停は、話し合いの手続きですので、間に入って話を聞いてくれる「調停委員さん」を味方につけることは重要です。調停委員さんには、調停の限られた時間の中で、調停委員さんの「知りたいこと」「聞きたいこと」を、適切な内容・表現で伝える必要があります。注意点として、「自分が伝えたいこと」が、本当に調停委員さんの「知りたいこと」と同じなのか、は注意してください。調停委員さんが「知りたいこと【ではない】こと」を長々と喋っても、時間の無駄になってしまいます(他に大事なことを話す時間が短くなってしまいます)。弁護士であれば、調停委員さんに「どのタイミングで、何を、どのように伝えるのが効果的か」を事前に考えて、対応することができます。今回は、遺産分割調停の途中からのご相談となりましたが、調停での戦略を考える(=依頼者にとって最善の結果を目指す)ためには、できる限り「遺産分割調停の初期の段階」で、弁護士へ相談されることをお勧めします。